死の百物語と神は云う。

○5:つかれている

【鈴村亜希】


 ……。

「……」

 ……。

「……次は、亜希よ?」

 ……あっ。


(次は、私の番……だったんだ)


 ……幸恵。教えてくれて、ありがとう。


「いえいえ~。それより、亜希はどんな怖い話を聞かせてくれるのかしら?」


 ……怖い、話……。

 ……。

 …………。

 ………………。


「亜希?」


 ……あのね。

 その……。

 …………。

 ……。

 ……つかれている。


「なに?!亜希ちゃん、疲れているのか?!やっぱり子供をこんな時間まで起きさせちゃいけなかったんだっ!百物語なんて今すぐにやめた方が……」

「健吾、落ち着いて」

「そうだよ~。せっかくみんなに集まって話し出してもらったんだから、今更やめれるワケないじゃん」


 私の言葉を聞いた途端、健吾は怒鳴るように言った。それをなだめる悠夜と久遠。

 ……でも。

 そう、だね。百物語なんて、今すぐにでもやめた方がいいのかもしれない。

 つかれてしまったし、これ以上、百物語なんて続けたら、身体に悪影響だと思う、し……。
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