死の百物語と神は云う。

○6:怖いハナシ

【針谷竜司】


 おう、次は俺様の番か。

 幽霊騒ぎになってちょっとみっともない姿を見せちまったが、所詮は人間の魂。怖がるなんてアホらしー。

 あとでちゃんと逝ける場所へと送り出さねェとな。メンドーだが。

 ……で、俺様の世にも恐ろしい、とびっきり怖いハナシは……。



 ――男が死んだ。



 ふっ!

 6本目の蝋燭の火が消えた。
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