彼女の恋~小指の赤い糸~
「寝ていたんじゃないんですか?」
「だいぶ前から起きてたよ」
「あの……いつから」
「誰かさんが背中にすり寄って来たから目が覚めた」
「寝たふりなんてしないで下さいよっ。
寝ているのに起こしちゃ悪いと思って必死に抜け出ようとしたのに私がバカみたいじゃないですか」
「それで?
紗季サンは、そのまま帰るつもりでいたんだ」
紗季サンてなんか違和感ある。
しかも何か怒ってるような言い方。
「お風呂に入りたいし着替えたいんでアパートに帰ろうかと」
「俺と一晩過ごしたのに課長のところに戻るつもり?」
「ちゃんと聞いてました?
私はアパートに帰ってお風呂……に……」