彼女の恋~小指の赤い糸~




《……何、惚けた事言ってんのかな?
優しいサキさんはこのまま帰すなんて薄情な事はしないよな?》


そう言うと、やっとドアが開き中に入ることが出来た。



「訊きたい事があるんだけど?」


彼女が浴室から戻って来た所で聞こうと思っていた事を口にすると顔色がさっと変わった。


「さっき……マンションで課長からのメールを見て脅えていたよな?」



「俺達の事がバレるかもしれないからってだけで……あんなには、ならないと思う」


どんな事でも見逃さないようにと反応の一つ一つを目で追った。



「課長と別れ話しで揉めているってのは分かった。

だけどアパートの駐車場で課長を見て脅えた理由は、まだ話してはもらってない」


「あっ、あの時は……」


「俺には言えないか?
信じてないのはどっちなんだろうな?」

本当にそう思っている訳じゃない。
追いつめないと話してはくれないと思った。



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