彼女の恋~小指の赤い糸~


マンションに着いて中に入ると直ぐに腕を引かれて主任の腕の中に収まった。


「主任?」


「紗季、ここで一緒に住まない?」


えっ?


「紗季には、いつでも目の届く所にいてほしいんだ。
じゃないと安心できないっていうか……
あっ、誤解するな信用はしてるからな。紗季とは少しでも長く一緒にいたいし。
だから……えーと……あー、もう一緒に住む事は決まりな」

「はあ?
何で主任が勝手に決めてるんですか?
いいなんて一言も言ってませんし」


「意地っ張り。
嬉しそうな顔してたくせに」


「そうな嬉しそうな顔なんてしてないです――――――――」


不意に唇が塞がれ。お互いに求め合うように口づけをした。


「さっきの話しは本気だから。
今週中に紗季はここに荷物を運ぶ事。
その時は手伝うよ」


もう強引なんだから。
でも本当はイヤじゃない。


一緒に住もうって言われて嬉しかったし少しでも長く一緒にいたいのは私も同じ。



「紗季?」


「はい?」


「好きだよ」


「私も好き」


主任は強引だけど優しくて本当の私を分かってくれてる。
だから主任と一緒なら、きっと幸せになれる……。






-End-

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