有界閉領域

弟 レイ

   五月祭2日目






初日である程度慣れたのか、2日目になるとトラブルもなくそれなりに進んでいる。








リョウの周りは、相変わらず女子中学生が取り囲んでいるが、ブチ切れることもなく、いつもの笑顔で対応できているのが、昨日と違うところ。




   



   休憩の時会った千波も、








「リョウ昨日とは違って、ニコニコ対応してたよ~。部長達にも敬語使ってたし~。代表って自覚やっと出てきたみたいね~」



   



   会長からも、







「本領発揮だな」だって。








みんなが認めるぐらい頑張ってくれて、ちょっと安心。









真由の窓口も昨日より、見学者が増えてはいるけどスムーズに進み、3年の補佐達が頑張ってくれている。









ただ、昨日と違って案内待ちしている男子中学生に、






「一緒に写メ撮ってもいいですか?」







って言われることが増えた。








そういう時は、やんわり笑顔で断る。







3年の補佐がいる時は、がっちりガードしてくれるので、助かった。








午後の受付が終わる頃、もしかして『昨日の付き添い男』が来たらって一瞬頭をよぎったが、何事も起こらずひとまず安心した。







見学者の見送りも、時間にちゃんと間に合い、リョウの隣に立つ。








「すごいから気をつけろよ。弥生も昨日捻挫したって言ってたから、あいつらが来たら後ろ下がってろよ」







「・・・うん」




   


   優しくされて気持ちがざわつく。



   



   私・・・おかしい・・・


   
  



    付き合ってはいるけど、そこに感情はないはずなのに・・・



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