有界閉領域

嫉妬

館内を回る間中、レイはくだらないおしゃべりを、止めようとはしなかった。






「シャンプーは、どこのメーカー?」







「好きなブランドの服ある?」







「好きな芸能人は?」








「テレビ番組どれが好き?」









よくそこまで質問が思いつくのね。と感心するぐらいしゃべり続けている。







適当に答えるのも疲れるぐらいに。









私の事を知りたいのか、自分の事を知って欲しいのか、全力でぶつかってくるレイに、意外にも嫌な気はしなかった。



  
   



   会話を楽しんでいるのは、私のほうかも知れない。








10分程オーバーしたが、レイの案内も無事終わり、まだまだしつこく付きまとうのかも?と思ったが意外にもあっさり帰っていった。








「またね~。真由」






とか、言い残して。






レイの後ろ姿を見送りながら、『顔は好みかも・・・』などとイケナイ考えが頭を過ぎってしまった。





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