有界閉領域

会いたくない

今日は学校に行きたくない。






鏡の中の自分は、憂鬱そうにしている。



   


   腫れ上がった目。






そんなに泣いた訳でもないのに・・・・







薄くファンデーションを付けることで、さっき程は目立たなくなった。







壁の時計は、7時20分。







もうそろそろ行かないと、電車に遅れる。







そう思うのに・・・・体は行きたくないと拒む。







「はぁ・・・・」






   深い溜息ばかり。







「お姉ちゃん、時間だよ~」






下から萌が呼んでいる。







帰ってから口を聞かない姉の様子を心配しながらも、あえて何も聞かないようにしてくれた萌。







コウから萌に何か伝えたのだろう・・・








寝る前にそっと部屋を覗き『ごめんね。お姉ちゃん』って言ってくれた。




   今はただ・・・



   リョウと会いたくない。



   それだけ・・・・







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