彼氏契約書
彼女のデザイン=美緒の作品たち。

「だろうな・・・

向こうに行ってからの彼女のデザインをすべて商品化して、

店に並べてるんだから・・・

今の彼女の右に出る者はいない、例えオレでも」


そう言ってフッと笑う。


実際、美緒のデザインは、どれも素晴らしい物ばかりで、

なぜ、こちらに来て勉強する必要があったのかと、デザインスクールの校長から

電話が来たくらいだ。


・・・彼女の原動力はすべて、あの男のおかげ、か。

そう思うと、少し悔しかった。


「…ところで、美緒さんとは上手くいってるの?」

「・・・何を突然言い出すんだよ?大体、美緒は向こうに行ってるし」


「貴方だけじゃない、美緒さんと連絡取ってるのは…

何の為に私が苦労して、彼女を一人にさせたと…ぁ・・・・」


「…美麗、お前、美緒に何した?」


口が滑ったと言わんばかりの顔で、困惑の表情をした美麗。

…どうやら、美麗が、すべてのカギを握っているような気がしてならなかった。


「おい美麗、洗いざらい、話してもらおうか?」
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