彼氏契約書
それから約一時間。

初対面の彼と食事をする羽目に。

・・・でも、意外な事に彼との会話も食事も、

違和感も嫌悪感も感じなかった。

…彼が、蒼空に似ているせいかも。


彼の名は、白石海人(32)

歳の割に若く見られるらしい蒼空似のイケメン。

身長も180㎝と高く、スレンダーな体型だ。

職業は、建築のデザイナーだと彼は言っていた。


「今日は、ありがとう、とても楽しかったよ」

そう言って微笑んだ海人。


「…いいえ、私も気分転換が出来て楽しかったです」

そう言って微笑み返す。


「…また、会ってくれるかな?」

「・・・え」

その場限りだと思っていたので、驚き目を泳がせる。


「そんなに困った顔しないで。俺は、美緒と食事をしたいだけなんだ。

楽しい会話が出来れば、それでいい。別に君をとって食ったりしないから」

そう言って海人は笑った。
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