彼氏契約書
大好きな仕事なのに、集中できない。

それなのに、目まぐるしく頭に浮かぶデザイン達。

頭が混乱して、思うように、仕事が進まなかった。


・・・そんな私に気づいたのか、

フォローしてくれたのは他でもない、蒼空だった。

私のちょっとした変化をいち早く察知して、フォローにまわる。

秘書として、最高の人材だ。


お昼を回り、私は食堂へ向かう事に。

「お供します」

そう言って私の一歩後ろをついてくる蒼空。

…前までは、さほど気にしてなかったこの行為。


今は、2人でいる事が、とても恨めしかった。

契約でも恋人と言う関係だからだ。

もし、周りに気付かれでもしたら、発狂してしまいそうだ。


「…ここの食堂のランチは、いつも美味しいですね、美緒さん」

「・・・そうね」

笑顔で話しかける蒼空に、冷たい態度しか取れない私は、

大人げないのだろうか?


「…そんなにあからさまに冷たい態度取らなくても、

誰も気づきはしませんよ、僕たちの関係」

「・・・」
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