鬼の子と男子生徒

その後のユウ


『・・・・夕輝に勘付かれた・・・・絶対勘付かれた』

俺は1人、落胆していた。

『俺、悪夢を見せるのが仕事なのにぃー!』

足をばたつかせる。

(また、失敗したの?)

クスクスと笑い声が聞こえる。

『うるせぇ!・・・・失敗したけど・・・・』

俺は口をとがらす。

(・・・・まァ、仕方ないよねぇ~♪今回はさすがの僕でもきっと無理だったよ~♪)

歌うように言った。

『・・・・そんなヤツを押しつけるなんて・・・・お前も鬼だな』

(鬼だなんて・・・・酷いなぁ~♪傷つくよ?流石の僕でも)

嘘だ。絶対傷ついてない。

『・・・・お前が傷つくなんて、とーてー思えないんだけど?』

(・・・・君の中の僕ってどんなヤツだよ・・・・)

『・・・・カードで言う『joker』。チェスで言う『queen』・・・・』

(邪魔者であり最強?)

『・・・・好きなように解釈すれば?』

(えー?・・・・じゃ、勝手にさせて貰うよ?)

『・・・・あんまり、夕輝を傷つけないでくれよ?宿なしは嫌だ』

(わかってまぁすよ)


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