「涙流れる時に」
「さっきの女なのか・・・?」

女は髪をまとめ、色鮮やかな着物で歩いてくる。その姿は艶やかで色っぽい。

ロビーまで行くと、ソファーの向こう側にいる恭平と目が合った。

「さっきはどうも。」恭平は自身の浴衣を綺麗に正しながら話かけた。

「お仕事ですか?」「ええ」

その先が出ない恭平。もはやこれまでか・・・女の目線は恭平の口元あたりを撫でる。見かねて、女は切り出した。

「お時間あれば、これから飲みませんか?」

恭平は戸惑った。女はホロ酔いなのか?・・・酒臭い。

「飲みすぎちゃって・・・」女は仕事とはいえ、実はかなりできあがっていた。

「とりあえず、部屋まで送ります。」恭平はそういうと、女の部屋まで付き添った。

廊下を歩いている間も恭平は戸惑っていた。

「愛妻は眠っているのに自分は・・・」と。こんないい女を目の前にして躊躇している場合か?・・・

それでもお構いなしに、女は恭平の腕を胸元にぴったり密着させて部屋へ招いた。

「行きずり」こんなこともあるというのか・・・。恭平にとっては初めての経験だったから少し怖いくらいの展開。

女性の部屋に招かれると女は、仕事からの解放感からか、自分から着物を脱ぎ始めた。

「ちょっと・・・」恭平は目のやり場に戸惑いながらも女に見惚れていた。

時計を見ると深夜1時を回っていた。ふと、美弥を思う。「起きてしまわないだろうか・・・。」

そんな不安をよそに、女は脱ぎ続け、とうとう布団に倒れこんだ。

「そそるな・・・」

恭平はこの女を前に理性が抑えられない・・・。「来て・・・」そう言わんばかりに女は布団の上で吐息を吐く。

「今日は疲れたな・・・まったくぅ」女はそう漏らすと恭平を枕元に手招きした。

「して・・・」大胆にそういうと、恭平の唇を奪った。

百合はこうして旅先でコンパニオンをしながら男を誘惑していた。

しかし、今日は違う、ただの誘惑ではないんだ。と、百合は自分に言い聞かせた。

「百合って言います」

百合は恭平の浴衣を丁寧に脱がすと恭平の体を指でなぞった。

「男らしい体・・・」そう言われると恭平もなんだかその気になってしまうもの

百合を愛撫しながらその体を堪能していった。
< 17 / 27 >

この作品をシェア

pagetop