さみしがりやのホットミルク
最後にくらった、あの一撃。

おそらくあれが原因か、俺の腹には、青紫色の巨大な痣ができていて。

こくりと、やはり顔をゆがめたままの彼女が、唾を飲み込んだのがわかる。



「……これ、は、病院に──」

「ッ、駄目だ!」



声を荒げ、気付いたら、その細い手首を掴んでいた。

驚きに目を見開いた彼女と、視線が絡まって。そこでハッとした俺は、慌ててその手を放す。



「、悪い。……骨は、大丈夫だと思うから。だから、病院は勘弁してくれ」



頼むから、と視線を落としたまま話すと、目の前の彼女は、しばらく黙って。

そのうちふぅ、と、小さくため息が聞こえてきた。



「……わかった。でもやっぱり辛そうだったら、病院ひっぱってくよ?」

「……ああ」

「とりあえず、湿布貼っとくね」



言いながら救急箱から取り出した湿布を、佳柄がそうっと俺の腹に貼り付ける。

その軽い刺激にもズキリと痣が傷んで、顔をゆがめてしまいそうになるも、なんとか堪えた。

それから、小さく安堵の息をもらす。
< 11 / 144 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop