さみしがりやのホットミルク
「っう、うう~~」



ぼろぼろ涙をこぼしながら声をもらすと、さよちぃが「ほらこれ使って!」って、タオルハンカチを差し出してくれた。

あたしは素直にそれを受け取り、そのままうつむいてハンカチで顔を隠す。

見えないけれど、目の前に座るふたりから、困ったような雰囲気が伝わってきた。



「佳柄ぇ、どした~?」



労るように言いながら、さよちぃがあたしの頭をなでなでしてくれる。

隣りのはすみんからも、「佳柄ー?」って、心配そうな声。

あたし、ふたりの前では、卒業式のときしか泣いたことなかったから……きっと、戸惑ってるんだろうな。


ふたりのやさしさがしみて、余計涙が止まらなくなりながら、あたしは必死に言葉を紡いだ。



「ふえ、お、おみく、……オミくんが……っ」

「オミくん……?」

「あ、ねこのこと?」



確認するようなさよちぃのそれに、こくこく、小刻みにうなずく。
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