さみしがりやのホットミルク
……やっぱり。俺は、“こちら側”の人間なんだ。

ケンカを始める直前の、あの高揚感は。自然と、わき起こるもので。

自分でも気付かないうちに、きっと、間違いなく、そういう血が受け継がれてる。



「……ッ、」



……だから。

だから、俺はやはり、彼女から離れなければならないんだ。

どんなに、俺が欲しくても。彼女のために、それは、叶うべきじゃない。

今日、あの部屋を出ていこう。佳柄が、帰ってこないうちに。


……彼女は、悲しむ、だろうか。

さみしいと、思ってくれる、だろうか。

そう考えると、今度は胸の奥が、ちくりと痛むけど。

……きっと、この選択が、正しい。

この選択が、正解なんだ。
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