鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
「こ、これは話が面白いんですよ」



「でも、お前この男好きなんだろ?『いいから、黙って俺だけ見てればいい』なんてサラッと言えるスマートなやつ」



マンガの中のセリフの部分だけやたらと色っぽく聞こえたのは気のせい?それに不機嫌なのはヤキモチだと思ってもいいですか?



「いい歳してゲームに夢中になってるやつなんかよりずっといいよな。俺だって30歳はこういう大人だと思ってた。自分が全然そんな風になれなくて・・・」



「あたしは!あたしは年齢に関係なく好きなことをやって楽しそうに笑っていられたらいいと思います。年齢は気になるかもしれないけど好きなことやめられないし、やめる必要なんてないと思います。それに課長は素敵な大人の男の人です。悠貴さんは可愛くて少年みたいで一緒にいて楽しいです!!」



行列の中だと言うのに軽く拗ねてしまった課長につい熱弁をしてしまった。



そんな大声でもなかったから他の人は気にも止めてないけど、我に返って気がついた。


これは告白まがいなことを言ってしまったと。


「・・・可愛いって何だよ。俺も大人だっての」



はにかんで少し照れ笑いを浮かべながらあたしの頭を小突く課長の姿にやっぱりキュンとした。
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