鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
「佐伯さん、パワハラにあったんだろ?その頃からちらっと話は出てたんだ。その営業はお叱りを受けたって聞いたけどでも、また正直君のミスが目立ってきて、課長は怒らざるを得ない。だからあえて君をうちに送り出してその営業からの苦情を聞かせないようにしたんだよ。君がここに来たのは君がこれ以上仕事を嫌いにならないように。そして、君の望む部署で仕事のやりがいを見出してもらえるように」



時田課長がうちの部長と課長に直談判したんだ。




なんでそんなこと一言も言わずにあたしを締め出すような言い方したの?もう期待させないため?



でも、もうダメ、止まらない。
大好きが止まらない。




「課長!!」




「なんだ、佐伯。言っただろ?お前は・・・」




「お話があります。すみませんがお時間よろしいでしょうか?」


渋々と立ち上がる課長を促したのはあの場所。第二資料室。電気をつけようとした課長につけないでくださいと強く言う。


ゆっくりと奥に進んでいくあたしの後ろを革靴の音を響かせながら追いかけてくる課長。ここでいいか。


見えないからと振り向いた瞬間、課長の手を引き壁に体を押し付けた。

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