鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
待ち合わせ十分前、深呼吸を大きくする。昨日、課長から初めてラインが来た。昨日は、会議で忙しかった課長。

話す時間もさほどなくて、終業時間を迎えたからどうなるのかと思っていたけれど、これはこれで嬉しい。付き合うと決めた日に連絡先、交換していてよかった。


《明日、十八時に松ヶ崎駅で待ち合わせでいいかな?》



松ヶ崎駅はフルールの最寄り駅。会社の近くでご飯?さすがに土曜日だから、職場に来ている知り合いはいないかもしれない。でも、万が一、誰かに見られたらどうしよう。


とはいえ、課長はどこに住んでいるのだろう?職場の近くだから、松ヶ崎駅にした?たった一文のラインで、こんなにもたくさんの疑問が浮かぶ。

本当に私、課長のこと何も知らないんだ。

結果、悩んだけれども待ち合わせてどこかに移動すればいいかと思い、了解ですと返信を送る。でも送った後に後悔した。もっと可愛げのあるラインを送れば良かったと。

「せめて、楽しみにしてますくらいは送れば良かったなぁ」

そして、それから夜中まで、明日着ていくコーディネートに頭を悩ませながら時間は過ぎていった。
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