鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
オムライス、お弁当、おにぎり、サンドイッチ。コンビニに入り、何にしようかと選んでいるとなぜか隣にいるはずの課長がいない。


お昼ご飯を選ぶはずだからお弁当を買うはずなのにとまたキョロキョロと見渡すとデザートコーナーに目を輝かせる課長の姿。また可愛い姿。後ろからこっそり気づかれないように近づいた。

「エクレアとシュークリームで悩んでるんですか?」

「いやっ、このティラミスもって。べ、別に俺が食べるんじゃないからな。冴子とかほらっ佐伯だって好きだろう?甘いもの」

「まあ確かにあると嬉しいかもしれないですけど、先にご飯選びませんか?」


ニヤニヤした顔を浮かべて課長を見るとまたバツの悪そうな顔をしてる。エクレアもシュークリームもティラミスも全部買えばいいのに。甘いもの好きなことくらいもう知ってる。

「あっ、うん。そうだな。そうするか。佐伯は決めた?」

名残惜しそうにデザートコーナーを後にする課長が持つカゴの中にその三つをポイッと放り込んだ。

「なくなったら困りますから、先にこれ入れときましょうね」


お昼ご飯とデザートを買って、ちゃんと信号を守ってハイツに戻ってくるとお父さんと冴子さんが買いすぎだと笑っている。


確かに。お昼ご飯はともかくとして最初に買ったデザートだけじゃなくアイスやお菓子までカゴに放り込んだ課長。コンビニで二千円近く使うなんて贅沢な買い物をした。
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