鬼上司？と嘘恋から始めるスイートラブ

怒ってる？携帯出なかったから？



でも、怒る理由なんてないよね。だって、私はちゃんと帰る理由伝えて帰った。勝手に黙って逃げたわけじゃない。


それなのに、どうして・・・。



「何で言わなかったんだよ」



課長が口を開いたのは電車に乗り込んでからだった。今日も相変わらず電車は混んでいる。


さりげに私をドアの前に立たせて自分は私を守るようにして向かい合わせに立っている課長。怒られているのにこの体制にドキドキしないほうがおかしい。


「あ、あの・・・」



「昨日、現行犯で痴漢が捕まったんだろ？徹さんから聞いた」



「あっ、そ、そうなんですよ。あたしもまさかそんなところに出くわすとは思ってもみなくって」