恋しくて、哀しくて
お弁当を食べた後、手を繋いで海辺を散歩した。


キラキラ輝く波打ち際、どこまでも広がる海、そして、手を繋いで少し前を歩く圭太くんの後ろ姿…。目の前の現実はどれもこれも夢のように思えた。



夢のように儚い…。



車に乗りこみ、シートベルトに手をかけようとした時、運転席から身を乗り出すようにした圭太くんの顔が、私のすぐ目の前にあった。



「我慢、できへん…」



圭太くんは、真剣な眼差しで私を見ると、乾いた唇を潤すようにして、濃厚なキスを繰り返した。


圭太くんと私の愛は…夢のように儚い…。



頭ではわかっていても、心も身体も素直だった。すぐにとろけて、ひとつになった…。



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