やばい、可愛すぎ。
「でも大丈夫なの?男と一緒に住むなんて。
私的には難易度高いと思うんだけど。
初期設定のまま裏ボスに挑む感じ?」
「……」
小夏ちゃんは私が男の人が苦手だと知る、数少ない人の一人だ。
もともと、私は口下手だし、冷静を装っているけれど、内心かなり混乱する癖があるから、
あまり人を寄せ付けないように、いつも険しい顔ばかりしているのだから。
「でも御影さんちの息子さん……ねぇ。
御影ってどっかで聴いたような苗字だけど……」
「全国に御影さんなんてたくさんいるんじゃない?」
「いやっでも、どっかできいたことあるよーな、……ないよーな」
首をひねる、小夏ちゃんを横目に、私は教室中から注がれる視線の居心地の悪さに目を細める。