やばい、可愛すぎ。


一歩こちらに、近づいてきて───私は、それに合わせて一歩後ろに下がる。


「そんなに固くならないで?

 別にとって食おうってわけじゃないから」


「私に何か用ですか」


冷静を装って、私はなるべく抑揚のない平坦な声で───そいう言う。


警戒心バリバリだなぁと、面白そうに笑いながら、その人はいきなり、


「うーん、まさかなぁと思って……ね!」



どん、と私の腕をつかむと、廊下の隅に体を寄せ付けてきた。


「っっ、やめてくださ、」


一気に私の体から、血の気が引くのがわかる。

近付いてくる顔を、直視することができないで───私は顔をそらしてしまう。



「やっぱり、キミ───男が苦手、なんだ」



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