やばい、可愛すぎ。
「これ以上、言わないとわからない?」
怒りを鎮めて、にっこり、と笑いながら俺は言う。
やつの目にどんな風に俺が映ったのかは知らないけれど、一瞬目が揺らいだのを、見逃さなかった。
「人の物に許可なく触れてんじゃねえよ
あーもしかして…………殺されたいの?」
「っ、わ、分かった」
びくり、と小さく震えて白井の手首からゆっくりと手を離した。
「散れ、こいつに二度と近づくな」
「っっ」
睨みつけると、そいつは口元を固く結びながら───そそくさと、どこかへ行ってしまった。