やばい、可愛すぎ。
「俺の彼女に、なにしてんの変態」
俺は、今にも襲いかかろうとしかねない見知らぬ男と、
恐怖に顔をゆがめる───白井ゆりの後ろに立って、
冷たく、そう言い放った。
「───んー?ありゃ、これは誰かと思えば御影皐月くんじゃん。
え、っていうか今なんて言った?彼女?」
男は、ぎゅっと白井の手首を握ったまま、余裕そうな笑みを浮かべたまま振り返った。
「っ……」
白井は、長い黒髪を振り乱しながら、下唇を噛んだまま───苦痛に顔をゆがめている。
それを見た瞬間、心の奥に冷たいものが流れていくのがわかった。
怒ってるんだか、むかついてんだか、よくわからない、冷え冷えとした感情。