甘い誘惑~Sweet Refrain~
南方さんは照れくさそうに笑うと、
「――フミちゃんが好きだ、って。

友達でもない、妹でもない、1人の女性として、フミちゃんが好きだ…って」
と、言った。

「――えっ…」

一瞬、自分が何を言われたのかよくわからなかった。

今、あたしが好きって…。

「えっと…その、ホントなんですか?」

そう聞いたあたしに、
「本当だよ」

南方さんは答えた。

「婚約破棄されてヤケになってるからとか、そんなんじゃないですか?」

そう言ったあたしに、南方さんは首を横に振った。

「婚約を破棄されてから、だいぶ時間が経ってる。

そんな理由でフミちゃんを好きだなんて言う訳がないじゃないか」

南方さんは言った。
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