僕らのルール
ちらっと空いている席の確認をすると、私の座っている席の左右どちらも空いているから彼らが来る可能性は高い。


うるさくされるのはやだなあ・・

もし、こっちにきても騒がしかったら違うお店に行こうかな。


そんなことを思っていたとき、もう聞きなれてきた私の好きな声が上のほうからした気がした。


「泉、悪い・・・振り切れなかった」


「え?」


教科書から顔を上げると、予想通りかずくんの姿が。しかはも手を合わせてごめん、ってポーズをしている。

でもそれだけじゃなく、さっきの騒がしさの原因と思われる制服男子2人が後ろにいた。


「おー!泉さん?」

かずくんのすぐ後ろにいる金髪の人と目が合って、話しかけられる。
立ったままの彼らと、座ったままの私。どうやったって落ち着かない。



「うん、あの・・とりあえずみなさん座って?」


お店の中はそこまでにぎわっていないけど、なんだか注目を集めているようでいたたまれなかった。
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