ファインダーの向こう
それから一時間ほどして、沙樹が毎朝の習慣になっている商売道具のカメラの手入れをしている時、一本の電話が携帯にかかってきた。
「はい」
『あ、沙樹ちゃん? ニュース見たよー! お手柄だったね』
電話の相手は、沙樹の会社の上司で波多野晋也からだった。
「情報早いですね、私は今さっきテレビで知ったところです」
『まぁ、俺は常に情報のアンテナ張ってるからな、そういう仕事してるし? まぁ、特に大した用事はないんだけどさ、またお願いしたい記事もあるし、顔見せがてらに今日うちに寄ってよ』
「わかりました」
沙樹が携帯を切ると、波多野の騒がしい喋り方が耳に残っているようで不快だった。気を取り直して沙樹はコーヒーをひと口飲むと、カメラの手入れの続きを始めた。
「はい」
『あ、沙樹ちゃん? ニュース見たよー! お手柄だったね』
電話の相手は、沙樹の会社の上司で波多野晋也からだった。
「情報早いですね、私は今さっきテレビで知ったところです」
『まぁ、俺は常に情報のアンテナ張ってるからな、そういう仕事してるし? まぁ、特に大した用事はないんだけどさ、またお願いしたい記事もあるし、顔見せがてらに今日うちに寄ってよ』
「わかりました」
沙樹が携帯を切ると、波多野の騒がしい喋り方が耳に残っているようで不快だった。気を取り直して沙樹はコーヒーをひと口飲むと、カメラの手入れの続きを始めた。