ニセモノ×初恋=??



ぽちゃ…。



お風呂のお湯が跳ねる音が響いた。


あれから家に帰りついたのだが、さすがに遅い時間だったので、みんなご飯を食べ終わっていた。

私の分だけ残されていたが食べる気になれず。

「お母さんごめんなさい、これ、明日お弁当で持っていっていい?先にお風呂入りたい」

と言って、心配そうな母親の表情は気にしないふりをして、お風呂に入った。


全身を洗い終えてから、お風呂も最後だったので、好きな入浴剤を溶かしていた湯船に浸かる。


自分を取り巻く入浴剤の香りが、少し刺々しかった自分の心を落ち着かせてくれた。



―――児玉くんも婚約者が大事なら、仕方ないことだよね。



二階堂さんから聞いた話を思い出して。

結構、ズバッとキツいことを言われたような気がする。

だけど、それを責めても仕方ないのかもしれない。

二階堂さんだって、自分の婚約者が他の女子と付き合ってるってなったら、いい気持ちはしないだろうし。


相手を好きならなおさら。



「好き………かぁ……」



二階堂さんは、児玉くんのことが本当に好きなんだ。

そして、その二階堂さんを守りたいのは、児玉くんも二階堂さんのことが好きなんだろう。



他の人……私が傷付いても、二階堂さんを守りたいというのはきっとそういうことだ。



バシャッ。


思いっきり、顔を湯船につけた。

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