ニセモノ×初恋=??
次の日。


昨日の夜あまり眠れなかったせいで、授業は睡魔の戦いだった。


美波ちゃん達はそれに気付いていて、


「沙菜、白目になってたときがあったから、笑い堪えるのが辛かったよ~」


と菜緒ちゃんに笑われ。

美波ちゃんは心配そうな顔をしていた。

昨日、児玉くんと何かあったんだろうと多分、美波ちゃんは気付いていると感じたが、今はまだ説明する気力がなかったので、私は敢えて気付いてないふりをした。



児玉くんとは。


クラスが同じで、しかも児玉くんの方が前の方の席だから、嫌でも視界に入ってくる。


その姿が視界に入るだけで、何だか胸がきゅう…と痛む。


……放課後のことを考えるとなおさら。


でも、この胸の息苦しさの理由がわからなくて。



信じていた児玉くんのことがわからなくなったからなのか。


それとも………。




「私達今日、部活だから今から行くけど…大丈夫?」


何も言わない私にしびれを切らしたのか、ストレートに美波ちゃんがそっと聞いてくる。


「うん、大丈夫だよ、ありがとう」


私の言葉に納得してなさそうな顔だったが、

「ほんとに……話聞くくらいならできるから、私たちで力になれることがあったら言ってね」

私に念押ししてくれた。



―――心配かけてごめん。



そう、心の中で謝って。

「うん、ありがとう。部活、行っておいでよ」

二人を部活に行くように促した。



児玉くんとの話は、この教室ですることにしている。


誰かに聞かれるかもしれないとは思ったけど、誰も来ないような二人きりになるところも嫌だった。



二人きりで、児玉くんに抱きしめられたことを思い出すから。
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