ニセモノ×初恋=??

児玉くんだって、私に好きな人ができたらやめていいって言ってた。


だから、やめたいと言ったらやめさせてくれるはず。


児玉くんの言い分も聞かずに、勝手に気まずくなって、昨日避けまくったことも謝らないと。



そんなふうにいろいろ考えていたら。



「各務さん…」


児玉くんが帰ってきたらしく、声をかけてきた。


思わず私は突っ伏していた体を飛び起こした。


「ごっ、ごめん、寝てたんじゃないからね」

なぜか慌ててしまう。

そんな私を優しい目で児玉くんは見ていて。

「寝ててもよかったのに。今日、眠そうにしてたし」

と笑う。

「え、気づいてたの?」

「うん、かなりゆらゆらしてたし、途中、半目だったよ」

さらに楽しそうに笑われた。

「ぎゃー、まじ!?菜緒ちゃんには白目になってたって言われるし!白目だわ半目だわ、私ヤバイね…」

「大丈夫大丈夫。あんまり、まわりは気付いてないかもよ?」

頭を抱える私を見て、根拠のないフォローをしてくれる。


だが、ふと思ったのが。


「……児玉くんの方が斜めとはいえ前の席なのに、少し離れてるのによく気付いたなー…」


ということで。ふと口に出ていた。


「まっ、離れててもバレるくらいだったんだねー、ヤバイわ私……って……何その顔……」


ふと児玉くんを見ると。


なぜか少し顔が赤くて。


口許を手で隠していた。


「……児玉くん……?」

「…あ、いや……えーっと……そんな、ずっと見てたわけじゃないんだけど……いや、ちょこちょこ見てたのは事実なんだけど……」


なぜかしどろもどろで言われた。


「……………」

「……………」


そしておとずれる沈黙。

< 401 / 558 >

この作品をシェア

pagetop