欲張りでいーでしょ!!!
ドキッ
杏side


ワーワー

『ついに来ちゃった...ドッジボール大会...』

ワーワー

うるさい掛け声と応援が響く体育館。

タタタタタタッ

足音??

『あーんずッッ♡』

『紗羅ッッ!!!びっくりしたぁ...』


すんごい笑顔だ...

まぁ、紗羅運動神経良いしね??


『えー...』

先生のマイク調整音が響く。

『これからドッジボール大会を始めます!!!
えー。大変申し訳ありませんが...』

ザワザワッ

まさか、中止...とか??


『時間の問題があるため男女共同に
させてもらいます!!!』

『はぁぁぁ!?』

男女共同!?

男女別でも嫌なのにぃぃーッ


『紗羅ッッどーし『うわッッめちゃくちゃ楽しそうッッ♡!!!小3以来じゃない??』......なんでもない』

そんなに楽しみかぃ!?

はぁぁぁ...

顔面当たったらどーしよう。

B組を目の前にしてもっと心臓が
鳴り響く。


『ではスタート!!!』

ピーッ

試合のホイッスルで、
紗羅は手を振って走り出した。

もう敵...泣きそう。


『じゃ、いっくぜー!!!』

ニヤリとして男子たちは女子の固まりにボールを当てていく。

『キャーッッ』

女子の悲鳴が聞こえる。

今はウチのクラスが責めてるけど...もう少ししたらウチらもッッ...ゾーッとした。背筋が。

『背中丸あきッッ』

相手のクラスの男子が後ろで声をあげた。

当たるー...ッッ!!!

トスッ

『お前はひたすら逃げろよ』

『え...!?』

宮沢...!?


『あ...』

見た時にはもう相手のチームが半分近く
外野だった。

アイツ...まさか1人で!?


『ほーらボケっとしてっと当たるぞ』

ドキッ


かっ...こいい。

そう思ったのは初恋の時ぶりだった。





紗羅side


『キャアアアア』

悲鳴あげながら私は死ぬ気で逃げてます!!!

そりゃ、ドキドキするけど!!!楽しいけど!!!

やっぱ怖いぃぃーッ


てか、宮沢強くない!?

1人でウチのクラスをー...


小さいくせにぃ!
しかも杏とイチャイチャかい??


『危ないッッ』

『へ??』

ドンッ

ボケっとしてたせいだ。

と後悔した。


『忍!?忍ッッ!!!』

私の前のボールを取ろうとしてお腹にボールが当たった...みたい。

どうしよう...!!!

私のせいでー...


『大丈夫!?忍!!!』

『ケホッ気持ちわりぃ。牛乳吐き出しそう...オエッ』

お腹を抑えながらそんな事を口走る忍...
少しホッとした。

『てか、夢山のせいじゃないから!!!
大丈夫大丈夫!!!いやぁ、スイッチ入ったわ』

『へ??』

『夢山のおかげだわ!サンキューな』

ドキッ

そ、その笑顔...反...則

『が...』

振り絞った。声を...

『え??』

『頑張って!!!』

キャアアアア!!!恥ずかしいぃぃー


『ありがと!』

ドンッ

ガンッ

宮沢と忍のパスみたいになってる。
両者一歩も譲らず...


私は忍を見つめてた。


水鳥が杏と同じクラスで...


このやり取り見てたなんて思いもせずに。
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