死神のレシピ
「あんたはアントニーの
友人かい?」



「友人というか…
お金の無い私に
アントニーは食事を
ご馳走してくれてたんです。」



「そうかい
アントニーは優しいだろう?」



「はい。」



「小さい時から
アントニーを見てきたけど
あの子は人の心が
痛いほど分かる子だった

だから分け隔てなく
誰にでも優しくできるんだと思う

でも裏を返せば
優しすぎるから、すべてを自分で
背負い込んでしまうんだ。」



ロニーさんは私の目を見て言った



「これからもアントニーと
仲良くしてやってくれ。」



優しいような、悲しいような



そんな目でロニーさんは笑ったんだ


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