死神のレシピ
アントニーはキッチンチェアーに座って、私がお好み焼きを作っているのを興味深そうに見ていた



この部屋に来てから一度も、アントニーはキッチンに立つことは無かった



さらに言うと、私が料理をしている時はキッチンに近づく事さえ無かった



料理の世界から離れたかったんだろうな



でも今はこうして私がお好み焼を作ってる様子を食い入るように見つめている



私はそれが嬉しかった



やっぱりアントニーは料理が好きなんだ



「さあアントニー出来たよ
食べてみて。」



アントニーは



「ピザみたいだね。」



と言って、色んな角度からお好み焼を眺めていた


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