死神のレシピ
「アントニーだって
何も分かってないじゃない!
私がどういう気持ちで
ここに来たのか…
何も分かってないじゃない!」



私は目にいっぱいの涙を溜めて、そう叫んでいた



「ミーシャ?」



アントニーは、そんな私に戸惑いながら声をかけた



「アントニーなんか嫌いだ
大嫌いだ!」



そう叫んで大鎌を手に、私は外に飛び出した



「ミーシャ待ってくれ!」



アントニーの私を呼ぶ声を無視して、暗い街に駆け出した



目的地もないままに、ひたすら走った



悲しくて、寂しくて、悔しくて、苦しくて…



角を曲がったとき躓いて転んでしまった



私は転んで蹲ったまま



声を上げて泣いていた



体中の悲しみや悔しさをすべて吐き出すかのように



いつまでも、いつまでも泣き続けた


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