死神のレシピ
悲しみの向こう側
カツーン カツーン



石畳を踏む私の足音だけが怪しく響く



私は死者の魂を求めて夜の街を彷徨い歩いた



でも、歩いても歩いても空しさが募るだけだった



道端に腰を降ろして大きな溜息をついた



どうすれば良かったんだろう…



何も知らない振りしたほうが良かったのかな…



でも、私にはそんな事出来ない



アントニーが不幸になるのを見過ごす事なんか出来ない



あぁ~もう!!!



アントニーの事を心配したって私にはもう、何も出来ないんだから



だいたい死神は人間と関っちゃいけないんだし



心配したってしょうがないんだ


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