冷酷彼氏の憂鬱
――そのまま、お互いの唇は触れ合った。
「んっ……」
うわぁ!うわぁ!私、何気にファーストキスなんだった……!
何がなんだか分からなくて、ただ、千尋くんの唇が冷たいってことしか分からなくて、私はギュッと目をつむった。
「ふぁ……」
「まなみ……」
ちゅっと音をたてて唇が離れていったかと思えば、そのままゆっくりと私の耳に移動していく。
「かわいすぎ」
耳のすぐ近くで千尋くんの声が……!
おまけに甘い言葉までっ。