愛というキモチのカタチ。
告白〜梶 雄輔(課長)side〜
身体は小さくて。くるくるとよく変わる表情にリスのような大きな瞳。

フワフワの長い髪は少し茶色くて。


ぷっくりとした唇は男を誘う。


小さな身体の割にくびれたウエスト。

ヒップはまぁまぁってとこかな。



年の割に子供みたいな印象を持っていた。

そんな部下でもある彼女・木内このはが最近変わった。


男か?

いきなり蝶のように艶やかな印象を纏うようになった彼女。


誰かのモノになってしまったんだろうか。

ある日出勤してきたら、目の前で彼女と同僚の高杉、杉浦がなにやら賑やかに話をしていて。

聞き耳をたてるつもりじゃなかったんだが、聞こえてきた言葉。


「このはにはイケメンの彼氏がいるんだから。」


…彼氏、やっぱりいるんだ。


事実を知って苦しくなるかと思っていたけど、案外平気なもんだな。

綺麗に花咲いた木内を見ていたら、そうじゃないかってわかってたしなぁ。


仕方ない、とりあえず自分の中でケリをつけよう。

先に進む為にも…。



二人きりになれるように仕組んで話をしてみたら、あっけなく彼女の口から肯定の返事が…。


一回り歳が違う隣のお兄ちゃん。



そう言っていた。


待てよ?俺、更に上じゃん。
一回りで諦めようとした彼女からしてみたら、更に可能性がないって事になりはしないか?


万が一にも俺のものになる可能性はないかって聞いてみたけれど、やっぱり木内は申し訳なさそうな顔をしていた。


小さな身体を無意識のうちに抱き寄せて、耳元で囁く。


最初で最後だから、と。



愛おしくてたまらない。
このまま強引に奪えるものなら…どれだけよかったか。


ゆっくりと身体を離しいつもと変わらない態度で送り出す。



エントランスでこちらを睨みつけている彼氏だろうあの男の元へ…。



40も半ばで失恋とかキツいな。


なんで上手くいかないんだろう。


俺が愛する女はいつも他に愛する男がいる。


奪える勇気のない俺が負け犬になるしかないのか。


いつまでも独りで居るのはつまらないし退屈なんだがな…。



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