愛というキモチのカタチ。

再びギュッとされて。


「ちゃんと書類書いたのか?」

「・・・うん、書いた。」

バックからファイルを取り出す。
大事な大事な紙切れ。


「じゃ、行くぞ。」

手をぎゅ、っと握って歩く。


役所に着くまで2人とも無言だった。


「今日・・・綾瀬さんが来たよ。」

小さくそう言うと、そっか、とだけ答える。

「いい人だね。魁斗さんと結婚するんだね。」

「あぁ。」

「魁斗さん、元気?」

「あぁ、元気。」

「・・・・。」

「・・・・。」


そうしてまた無言に。

このはは歩くのを止めた。


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