あたしと3人の王子様*




教室につくと、まだ先生は来ていなかったみたいで安心した




「今日遅かったね」

「あ、愛花!そうなの、寝坊しちゃって…」




なんだか、愛花の顔をちゃんと見て話せなかった




愛花には祥太に告白されたなんて口がさけても言えない




「どーかした?」

「え、なにも? 1時間目ってなんだっけー?」

「現代文だよ」

「ありがと!」




あたしは教科書を取りに行くために廊下に出た




愛花に気づかれなかったかな…




「はぁーっ」




ロッカーに向かってため息をついた




なんかすごい…ストレス……




「おっはー!」




後ろから来た遥斗に体を押された




その勢いでロッカーに頭をぶつけた




「いったーい!ちょっとー!」

「あ、わりぃ」




ヘラヘラしながら顔の前で手を合わせていた




全然反省してない!




「浮かない顔してたから元気付けよーと思ってさー」




あ、そうか…遥斗なりに気を使ってくれたんだ




「ごめんね…あのね、聞いてほしいことがあるの」




ひとりで解決しようと思ったけど、人の意見を聞くことも必要だよね




< 157 / 289 >

この作品をシェア

pagetop