あたしと3人の王子様*




「颯ちゃん、どーして?」




外に出ようとしてドアに手をかけながら顔だけこっちを向いて言った




「ん? 一緒に帰りたかったから」




―――ドキッ




なにそれ、ドキドキするよ




颯ちゃんもあたしと同じ事思っててくれたの?




おそらく赤くなってるであろう自分の顔を見られまいと俯いていたあたしの視界に、大きな手がうつった




―――? 颯ちゃん?




「花、帰ろ!」




顔を上げたあたしの目の前には笑顔の颯ちゃん




―――でも、




「え、っと……この手は?」




ま、まさか……つないで帰るわけじゃないよね!?




「あ、今繋いでもどうせ自転車乗るのか!」




なんて、自己解決している颯ちゃんに少し笑ったけど……




颯ちゃん、繋いで帰るつもりだったんだ……




顔の温度がさらに上昇するのがわかった




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