殺し続ける
学校を終え家に帰ると、親がリビングで寝ていた。親のまわりにはビールの缶が数多転がっている。
…また、仕事に行かなかったのか。
最近、仕事を休みがちなのだ。
俺は、そんな親を放っておき、バイトへ向かった。バイトの収入は生活費にめなるんだから、しっかり稼がなくてはならない。

バイトを終えて家に帰ると親が起きていた。
「あんた、缶を片付けといてくれるとか、そういう優しさはないの?冷たい子だねェ」
また文句を言い出した。うるせぇな…
帰ってくるなり因縁つけんなよ…
そもそも、お前は、いつその優しさを俺に見せてくれたっていうんだよ…
声に出したいのを耐え、押し黙る。

また妄想に入る。
逃げているという自覚は一応ある。

なぜ言い返さないのか…自分でもよく解らないが、憶測を挙げるのなら、高校生にもなって…たぶん恥ずかしい事に、親が怖いのだろう。
いつからか始まった親への憎悪。
昔から流れ流れて今でも引きずっている親への恐怖感。

だが…
所詮、妄想は…



妄想でしかない。
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