俺様なアイツと。





私はスポーツドリンクに手をかける前にその男の子の元に走っていった。
その男の子は近くに立っている私に気づいていない。
とりあえず……


「あ!あの!!」
「…ん?」


少しだるそうに目を開いた男の子。
な、なんか申し訳ない……。


「あッあの…とりあえずこのスポーツドリンク飲んでください!」


そう言った私にポカンとした顔をした男の子。


え…。アレ?
あ!そっか!!


「大丈夫です!まだこれ、開けてないですから!!」
「え?いや、そうじゃなくて…」
「あ!ごめんなさい!!暑いですよね?待っていて下さい。ハンカチ、水に濡らしてくるので!!影で休んでいてください!!」


その男の子は何か言おうとしていたけれど私はそれどころじゃなかった。だって……


「はい!どうぞ!!熱中症の方はちゃんと休んでいてください!」


この子、熱中症でしょう?
だってこの蒸し暑い季節にはこれしかない!
そういって男の子のひたいにハンカチを置いた。


「プッ」


と急に吹き出した男の子。
へ??






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