異世界にて、王太子殿下にプロポーズされました。



湯浴み……お風呂のことか。

確かに、嫌な汗をぐっしょりとかいていて、気持ち悪い。汗を流してさっぱりしたいところだけど。


やっぱり色々とおかしい。


ここはあのキラキラ外人さんが言ってたセイレスティアってところなんだろうか。


こんな立派な造りのお部屋があるし、声の様子からして若い女性のメイドさん? らしき人もいる。 それにここはどこかのお屋敷かホテルって感じに見えた。


(やっぱりあのキラキラ王子さまがあたしをここに連れてきたってことか)


そう納得したあたしだけど、腹が立ってもいた。


キラキラ王子さまはあたしの意思に関係なく、強引に連れてきた。


地味に生きたいあたしとしてはこんな派手な部屋は息苦しいし、第一似合わないってばよ。

(悪いけど、脱出決定だわ)


そうと決めたら即行動。思い立ったが吉日よ。


『失礼します……あら?』

『大変! ユズ様がいらっしゃらないわ!!』


紺色のメイド服を着た女性が右往左往する中、空気化のスキルを発動させながら突っ切っていった。


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