皮が剥けた
私は、絆創膏が嫌いじゃない。

むしろ好きだ。

傷がなくても貼っていたい。

なぜだろう。

人の皮膚と同じ色をしているからだろうか。

それとも、指を圧迫される感覚が好きなのだろうか。

あるいは、わざわざ皮膚の呼吸を止めてやるのが好きなのか。

絆創膏のガーゼの部分を、上から指で少しだけつつく。

傷口の血が、朝顔の開花のごとく、ガーゼに染み込み、円を作った。

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