Holy-Kiss~我が愛しき真夜中の女神達へ~【吸血鬼伝説】
 
 ………!



 牙王の咆哮が。
 
 まるで、幾種類もの獣が一斉に雄叫びを上げたような。

 耳障りな咆哮が、辺りを揺るがしたかと思うと、次の瞬間。

 巨大な吸血鬼が、目の前に降って来た。



 速い!



 がいんっ!


 続けて繰り出される爪を爪で受けて、俺は後ろに跳び退る。



 重い!



 今まで受けたことの無いほどの、力強い攻撃だった。


 ……これは……

 確かに、言うだけの事は、ある。

 真剣に、爪を構える俺と反対に、牙王は、あっさり戦闘態勢を解いて嘲った。

「やっぱり、たいした事ねぇな。
 おい、ねぇちゃん。
 こいつ、どこまでヤっていいんだっけ?
 つい、うっかり殺しちまったら、やっぱマズいんだろう?」
 

 
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