Holy-Kiss~我が愛しき真夜中の女神達へ~【吸血鬼伝説】
 牙王の言い草に、女も嘲う。

「頼もしい発言で何よりです、牙王。
 できれば無傷に越した事ありません。
 でも抵抗するようでしたら。
 残月様の左腕、一本ぐらいならもぎ取ってもいいそうですよ?
 良ければ、あなたへの報酬に差し上げますわ。
 吸血鬼の生肉はお好きでしょう?
 しかも、貴重な始祖の吸血鬼なんて、そう、食べられるものではありません」

 くっそ!

 この女は、俺を牙王に喰わす気でいるのか?

 しかも。

 この女の話の、どこが良いのか、牙王は、にたりと笑った。


「そいつぁ、嬉しいじゃねぇか!」

 牙王は、ゲラゲラ笑うと、いきなり、身を翻した。




 来る!!!





 がぎん!

 びゅっ!!




 俺は、飛び込んで来た牙王の爪を受け流すと、返す爪で喉を狙った。

 だが、しかし!


「ざんねん。
 浅かったな……!」


 喉に一筋、赤い線をつけた牙王が嘲笑する。

 しかも、その傷は。

 牙王が降り注ぐ月光にさらすと。

 痕を残して血が止まった。

 
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