Holy-Kiss~我が愛しき真夜中の女神達へ~【吸血鬼伝説】
「いや、嫌ぁ……!
……やめ……て……!」

「ナニ言ってるんだ、今更よう!」

「そうだぜ、姉ちゃん。
 泣き事言っている暇があったら、足ぃ開きな!!」


 ……細い、女の声と。

 複数の男の声。

 がしゃん、と何かが砕ける音。

 何の最中なのか、容易に想像のつく音に。

 俺は、辺りを見回し……

 ……見つけた。

 この、ゴミの山は、本当は小屋(バラック)らしい。

 廃材が積み上がった、その奥に。

 出入り口らしい穴を見つけて、俺は、中に飛び込んだ。
 
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