チョコレートとキス

スイートチョコ



二月十四日

バレンタインデー




さて、この状況はどうしようか・・・。



「キャー!雪初くんこのチョコもらって!」

「あ、抜け駆けは禁止でしょ!」



登校そうそう雪初は沢山の女の子に囲まれ
チョコ渡しの嵐にあっていた



なによ、デレデレしちゃって



私には「俺だけにくれるんだろ」

なんて言って、自分は他の人のチョコも貰うんだ


ふーん。



別に雪初の言葉を受けて雪初だけに

しかも手作りのなんて作ってないんだから


いいもんっ



というか、最初から私をからかってただけ?



そんなのってないよ・・・・。



私は雪初のこと……



ツカツカと近づき

チョコの箱をいれていた紙袋を
雪初に向かって投げつける


雪初は驚いた顔で私を見た



「雪初の阿保!私には「俺だけにくれるんだろ」って言ったのに。

自分は皆から貰うの?」



体が自然に動いて止まらない


作ったチョコを口に咥え


そのまま・・・・。



「っ!?」


雪初の首元を掴み、引き寄せた




「っ、私のことからかったの?雪初の馬鹿!


嫌だよ、他の子からチョコ貰っちゃ嫌だっ。」



無意識に涙が溜まっていく




「ふっ、やっぱり可愛いな月歌は。

そういう訳だからごめんね、受け取れない。」



雪初を囲んでいた女の子たちは
事情が読み込めなくて呆然と立ち尽くした



雪初はそれをも楽しむように微笑み


「じゃあ、お返しは十倍返しね。」



そう囁いて、私に飛び切り甘い

スイートチョコレートをくれた

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